サクランボは元気の証
2017年 06月 26日
毎年、サクランボの季節は忙しいのです。
親戚やお友達、お店の常連さんやお客様、たくさんの方々に、サクランボを送らねばなりません。
数年前までは、我が家でサクランボの木を数本持っていて、父と祖父が大事に大事に手入れしていました。
我が家は、農家ではありません。好きでやっていたのです。
でも、好きという理由でやるほど、サクランボは楽ではありません。
お金も相当かかりますし。
かなり赤字労働だったと思います。
数年前に、サクランボの木ごと畑を売ってしまいました。
意外にも買ってくれる方が居られたのです。
今は、母の実家(専業農家)や知り合いの農家から、大量のサクランボを買い取り、自分で箱詰めして品物としています。
これが、結構な重労働なんです。
サクランボの旬はあっという間に終わるので、ものすごく勢いのある時期なのです。
当初、母は、
「HIFUの入院も動注療法の入院も、サクランボが終わった7月中旬が良い!」
と言い張り、私は呆れ果てていました。
しかも結構しつこいし。。。
M病院に行く前に、私は母に、
「サクランボと体、どっちが大事なんだ!!」
と釘を刺していましたので、M病院で母はおとなしく入院日を受け入れました。
月曜にM病院で診察し、その週の水曜10時に入院が決定したのです。
つまり翌日の火曜には、また埼玉に戻って来なければならないという非常に忙しいスケジュールでした。
実質、入院の準備や家の整理は、火曜の午前中しかなかったということ。
その数時間で、母は大量の宅急便の送り状を書き終えたのです。
昨日、後から思い出した方々の住所を追加で書いて欲しい、と電話が来ました。
母のメモ帳には、お友達らしきたくさんの方々の名前や住所が記されていました。
意外にマメだったんだな・・・。
二週間前、急遽母の入院が決まり、速攻兄にメールしたのです。
「お母さんの心残りはサクランボだ。なんとか頼むよ。」と。
あっさり引き受けた兄でしたが、昨日、苦情の電話が。
「相当、大変だ。かなりだ。。。」
むしろ、怒っていました。
一年に一度のサクランボ、地元の人間にとっては、特に喜ばれる物ではないのですが、何となく県外の知り合いには送らないといけない気分になるのです。
私も、大学時代の友人達には送ります。
会う事もないのですが、産物の送り合いだけが唯一の繋がりなのです。
きっと母には数十年分の繋がりがあるのでしょうね。
サクランボを送ること、元気の証なのかもしれないな、とサクランボを食べながら考えていました。
by roll1822
| 2017-06-26 23:05
| 膵臓がん