ナノナイフ初診です
2016年 11月 27日
いよいよ予約の日です。
やってきました赤坂に!
予約よりも大分早い時間に到着しました。
駅を出るとまっすぐ道路沿いに歩くだけで、分かりやすい場所にありました。
セレブな病院!
私には今まで見た事のない上品な病院です。
主治医からの紹介状を持って受付へ。
初診の手続きを行いました。待合室は全てソファーです。
手続きを済ませると奥にあるがん局所療法センターへ。
各先生方によって部屋が分かれており、ナノナイフのM先生は、一番奥の部屋でした。
ドキドキです。
不安の方のドキドキです。
むしろ恐怖に近いドキドキです。
これまで、国立がんセンターでがっかりし、放医研でがっかりし・・・期待するのはやめようと思っていたのです。
次の手を考えていました。
トゥルービーム、次の手です。
「ナノナイフがダメなら、神戸に行こうよ!」
私は、ナノナイフがダメでも、がっかりが少なくて済むように、予め母に次の病院を提案していました。
憧れのM先生です。
インターネットや本でお会いした通りのお顔でした。
どんな先生なんだろう。。。
紹介状を見て、
「3年間、よく・・・。」 ← ここまで元気でいられましたね、という意味だと思います。
すこし話をした後に、母をベッドに寝せて、エコー検査です。
画面には、私には全く理解の出来ない母の内部が。
すご〜く時間をかけて見てくださいました。
また机の前に座ってお話です。
紹介状と一緒に入っていたCT画像とエコーの結果を総合し、受けた説明をまとめますと、
●膵管部の真ん中に腫瘍が留まっています。表側にあるので、ナノナイフがやりやすい場所です。
●血管が多い部分なので、切除するのは難しかったのでしょう。
●腫瘍の大きさは4×2.5cmです。ナノナイフが有効なのは3.5cm程度までなので、全部死滅させるのは困難です。
●ナノナイフの後に、抗がん剤を投与しなければなりませんが、TS-1とジェムザールが効かなくなってきているということは、期待が出来ません。
●現在の状態で、何の治療もしなければ余命半年です。
●ナノナイフを受けて腫瘍が小さくなったとしても、半年の余命が1年に伸びる程度です。
●ナノナイフの結果、このような合併症が20〜30%で起こる可能性があります(合併症を詳細に説明)。
そして、
「このような状況でも、ナノナイフを受けたいと思いますか?」
私は、
「はい。お願いしたいと思います。」
次に、母が、
「私は、・・・このままで良いです。受けたくありません。1日でも今のまま元気で生きられる方が良い・・・。」
涙がボロボロと溢れました。
人前で、こんなにも泣いた事はありません。
癌を宣告されてから今日まで、余命を宣告されたのは初めてだったのです。
半年・・・・・・・・・・・・・。
母はどれほどの気持ちだったのでしょう。
そこからは、M先生と看護師さん2名を前に、私の母に対する説得が始まりました。
泣きじゃくりながらの説得でした。
看護師さんは、私にティッシュをくださいました。M先生は、黙ったままです。
今のままでは、死ぬのを待つだけなのです。こんなに元気なのに!!!
それなら、可能性にかけようよ!
何もしなかったら、可能性も何もないんだよ!
母は分かってくれました。
受けてみる、と言ってくれました。
そして、M先生は、いろいろと説明してくださり、私と母の話をたくさん聞いてくれました。
なんでも話せる先生でした。
ナノナイフ以外のことも、たくさん相談にのってくれました。
1時間半です。
こんなにも医者の先生と向き合えたのは、生まれて初めてです。
診察室を出た私の気持ちは、すごく穏やかでした。
母は、
「癌になって初めて、医者にお腹を触られたよ。これまでの先生は、パソコンを見ることしかなかったよ。」
M先生は、素晴らしい先生だと思います。
ナノナイフがどんなものなのかは分かりません。
でも、この先生を信じてみたい、信じてみよう、と思いました。
M先生は、パソコンをうちませんでした。
手書きで、分かりやすいように説明してくださいました。
そして、すぐに手術日を決めてくれました。
何もかもが早い早いっ!
手術日は、11月の第3週に決まりました。
診察室のカレンダーの書き込みをじっと読み込み、私の分析した結果です(私の想像。不確かな情報です。)。
●M先生の受信日は、毎週火曜と木曜のみ。←これは確かな情報です。
●手術は、毎週月曜日のみ。おそくらく午前一人、午後一人。
●月曜であっても、M先生の用事があれば、手術は出来ない。
●つまり、手術が可能なのは、1箇月に8〜10人。
●12月は、予定がたくさん。多分、4人くらいしか手術できなそう。
手術の約2週間前に、術前精密検査が行われます。
その結果、ナノナイフが適応しないことも考えられます。
次は、11月第1週。
それまで、新たな抗がん剤治療を紹介してもらいました。
「アブラキサン+ジェムザール」
この抗癌剤は知っていました。
主治医が選択してくれなかった理由は、”効かないと思うから。効かないと分かっている治療は、ガイドライン上出来ません。”だそうです。
いくらお願いしても断られました。
M先生から、主治医にお手紙を書いてくれました。「アブラキサンを検討されてはいかがでしょうか?」と。
M先生、ありがとうございました。
お母さん、ここまできたのです。
頑張るしかありませんよ。
by roll1822
| 2016-11-27 09:12
| 膵臓がん