2017年 04月 07日 ( 1 )

お母さんが癌になって良かったこと


うちのお母さんは、嫁に来てから40年間、ずっとずっと働き続けました。
休みは年に数回。
朝7時には店に出て、帰って来るのは19~21時。

私は、家でゆっくりしているお母さんを見た事がありません。
おばあちゃん子の私は、一緒に寝た事がありません。
一緒に食卓を囲んだ事がありません。
参加してくれた学校行事は授業参観だけ。
日曜に行われる運動会には来てくれませんでした。

私が嬉しかったのは、お母さんの帰りが早かった時に、一緒にお風呂に入れたこと。
そして、夏休みの1泊2日の家族旅行。
お母さんとの思い出って・・・あんまり無いんです。


2013年10月に母の膵臓癌が発覚し、2014年3月に、兄は店を取り壊す事を決めました。
両親に頼らずに、自分達だけで経営出来る小さな店で十分だと。

寂しかったなぁ。
母がいつも立っていた店、私や兄がよく遊んだ店、いつもあるのが当然だった店。
いつもお客さんがたくさん集まった店。お手伝いもたくさんしました。

あっという間に取り壊されて、残された土地は想像以上に小さな面積に感じました。

兄なりに、相当考えた決断だったと思います。
自分達の経営方針は勿論のこと、母の居場所を奪うこと→これは、母に治療に専念してもらう為だったと思います。
働く事を諦めてもらう為です。


母が癌になってからのこの3年間、母と一緒に居られる時間が出来ました。
一緒に住んではいませんが、よく電話が来ますし、毎週実家に帰ってご飯を食べて帰って来ます。
治療の為に何度も一緒に東京に行きました。
新幹線に乗って、ホテルにも泊まりました。
はとバスにも乗ったし、浅草にも行ったし、何より一緒にご飯を食べられました。生ビールも飲みました。

癌になってからのこの3年間で母と過ごしたトータル時間は、私が生まれてから癌になるまでの母と接した時間より、ずっとずっと多いものです。
切実に感じるのです。
母と一緒に居られる時間が嬉しいと・・・。

癌にならなければ、今頃まだ働いていましたね、絶対。
ゆっくり落ち着いて話をする時間は無かったし、一緒にご飯を食べる事も無かったですね、絶対。

母が癌になった事で、幸せだと思える時間が得られました。

母が癌になって良かったこと・・・唯一の良かったこと・・・。




とか、考えてみたものの、


やっぱり・・・


・・・良かったことなど無いよ。
・・・良いことなんて何ひとつ無いよ。

いつも元気で、動いてばっかり。要件のみ話してすぐに電話を切ってしまうお母さん。
お母さんが癌になるくらいなら、私は、この楽しい時間は要らなかったよ。
一緒に新幹線乗らなくても、一緒にご飯食べなくても良かったよ。



生きて欲しいと思います。



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by roll1822 | 2017-04-07 23:07 | 膵臓がん | Comments(6)

2013年10月、母の膵臓癌が発覚。ステージⅣaですが、3年間元気に生きています。最新治療ナノナイフの経過を記録していきます。


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